【理学療法学科】武田智徳さん(本学大学院博士後期課程修了)と椿淳裕教授(理学療法学科,運動生理Lab,運動機能医科学研究所)らの研究論文が国際誌「Journal of Arrhythmia」に掲載されました
武田智徳さん(本学大学院博士後期課程修了)と椿淳裕教授(理学療法学科,運動生理Lab,運動機能医科学研究所)らの研究論文が国際誌「Journal of Arrhythmia」に掲載されました。
研究の概要
ペースメーカ,植込み型除細動器,心臓再同期療法という心臓デバイス(CIED)手術後は合併症が増加する可能性があるという理由でCIED植込み側の上肢の使用を制限することが多くあります.しかし,CIED術後早期に上肢を挙上することで合併症が増加するといった明確な根拠はありませんでした.
そこで,650名の術後患者を対象にCIED術後に上肢の使用を制限する群,CIED術後段階的に上肢を挙上する群,CIED術後翌日から上肢を挙上する群の3群で合併症(血腫,リード脱落,閾値上昇,創部感染,気胸,心タンポナーデ,深部静脈血栓症)の割合を比較しました.
結果はすべての合併症は3群間で有意な差は見られませんでした.そのため,CIED術後早期からの上肢の挙上は安全であると示されました.
武田智徳さんからのコメント
本研究は大学院在学中から進めていた研究になります.ペースメーカ,植込み型除細動器,心臓再同期療法の手術を行った方の植込み側の上肢の挙上の安全性を日常診療のデータから抽出して報告しました.作業療法士だけでなく,リハビリ医師,心臓内科医,看護師,心臓デバイス専門看護師など様々な職種が関わったリアルワールドの臨床研究になります.
本研究は,CIED手術を行っている施設が,今後術後の上肢の使用制限を変更するきっかけとなる研究だと考えています.これからも,臨床と研究を並行して励み,心疾患に対する作業療法の発展に貢献したいと思います.
論文情報
Tomonori Takeda, Atsuhiro Tsubaki, Yoshifumi Ikeda, Ritsushi Kato, Sho Kojima, Shigeru Makita. Impact of raising the upper extremity siding cardiac implantable electrical devices on postoperative safety. J Arrhythmia. 2023 [accepted].
DOI:
https://doi.org/10.1002/joa3.12884
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